ポーリーヌ・クニュー |
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本作の主人公。第3巻『パリの胃袋』のリザ・マッカールのひとり娘である。10歳までをパリで過ごしたため垢抜けた振る舞いも身についているが、実は少しいじめられっ子だったのであり、本来は素朴で不器用な性格と思われる。感情がすぐ態度に出るので、誰もがちょっかいを出したくなるのであろう。とはいえ、まったく嫌味でなしに善良な魂の持ち主なので、非常に好感がもてる。 |
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ラザール・シャントー |
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ポーリーヌのまたいとこ。優柔不断王。言うことだけはスケールが大きいものの、実行が伴わないへなちょこ青年。失敗するのは自分の努力が足りないせいなのに、愚かな大衆が邪魔するからだと言い張る。死の恐怖にとりつかれ、生命を嫌悪しているらしいが、そのくせ、ちゃっかり結婚して子どもを作っている。しかし、真面目に育てようとはしない。なんなんだおまえは、と嘆息するほかはないであろう。 |
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ルイズ・チボーディエ |
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シャントー家と知り合いの銀行家の娘。のちにラザールと結婚するが、あまり情熱的な恋愛関係にあったわけではない。そこそこ美人、そこそこおしゃれ。別に悪人ではないが、とびぬけて優れた素質もない。要するに親が金持ちなだけの普通のコ。ある意味、ラザールに振り回された犠牲者のひとりとも言える。 |
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シャントー |
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ポーリーヌの養父、ボンヌヴィル村の村長。痛風のため動くことができず、ポーリーヌの看護を受ける。ポーリーヌがラザールとの関係に絶望して村を去ろうとする時に、いつも足かせになるのがこの人である。美食家で、痛風の発作が起こって苦しむのがわかっているのに美食をやめられない。肉体的に不健康にもかかわらず物語の最後まで生き延び、「自殺するとは、ばかなやつだ!」という締めくくりの文句を吐く。結論の賛否はともかく、あんたにそれを言われたくはない、と思うのは私だけであろうか。 |
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シャントー夫人 |
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ポーリーヌの養母。もともと金銭面ではしまり屋で、ポーリーヌの遺産も公明正大に管理していたが、息子を溺愛しすぎるあまりポーリーヌの遺産に手をつけるようになっていく。息子を甘やかしすぎることさえなければ、文句なしに立派な主婦だったはずなのだが……。 |
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ヴェロニック |
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シャントー家の女中。シャントー夫人と同じく几帳面なやかまし屋で、家の中が乱れるとすぐにぶりぶり怒る。厳格な主婦であるシャントー夫人を尊敬しており、夫人がポーリーヌの遺産に手をつけたときに憤ったのも、夫人を尊敬していたからこそのことであろう。夫人の死後、家の中がルーズになってゆくのに耐えきれなかったらしく、結末で自殺してしまう。女中とはいえ、けっこう複雑な内面をもった女性である。 |
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カズノーヴ先生 |
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ボンヌヴィル村の医者。ポーリーヌの後見人的な役割を果たす誠実な人物。ただ温厚なだけかと思いきや、ときどき鋭い指摘や意味深な発言を洩らす。本作におけるゾラの代理人とも見える。 |
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