新訳(ゾラ・セレクション版)に基づいてリメイク中。以下の紹介は武林無想庵訳による。
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ギアナから脱走してきた青年で、クニューの兄。インテリらしく共和主義者だが、過激派ではなく、およそ無害な人物である。家庭教師をしていた教え子(ミュシュ)にレヴォリュシオンなどという字を練習させていたので、警察ににらまれて逮捕されてしまう。
プチ・ブルジョワ的心性の代表者。主義や理想より、自分の店の発展に最大の関心を注ぐ。フロランをめぐる不穏な噂が広がるとたちまち不安になって彼を追い出し、後には警察に密告する。良くいえば善良、悪くいえば日和見、というところであろうか。まあ、気持ちはわからないでもないけれど。
フロランの弟で、いちおう肉屋の主人だが、少々リザの尻に敷かれ気味。この人は作中あまりインパクトがない。兄が逮捕された後で泣き言を言うけれども、結局はリザに説得されてしまう。
リザの甥の画家。『居酒屋』のジェルヴェーズの長男である。第14巻『制作』で主人公になるが、思いがけずこんなところに登場して、フロランの友人としてけっこう重要な役割を果たす。
フロランをそそのかして内乱を企むグループに引き込んだ飲んだくれ。いわゆる「口先だけの共和主義者」であり、要するに、酔って政府をこきおろせばそれだけで満たされて、あとは何もしないタイプ。でも言ってることは過激だからフロランと一緒に逮捕される。
中央市場をうろうろしている若者。キャディーヌの恋人。リザに欲望を抱きスキを見て襲いかかるが、突き飛ばされて頭を打ち、重体に陥る。まったく、なにやってんだか……。
中央市場をうろうろしている娘。マルジョランの恋人。
この作品で唯一ともいえる「外部の視点」を提供する、ナンテールの農家のおかみ。登場する機会は少ないが、フロランを助けたりクロードを庇護したりと、なかなか重要な位置を占める。
リザの娘。第12巻『生きる喜び』で主人公となるが、この作品ではまだ6歳である。
町の悪ガキ。ポーリーヌに意地悪して泣かせたのはこいつである。まあ、屈託のない性格なので印象は悪くない。
2003年にゾラ・セレクションの一冊として本作の新訳が出た。
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