フランス文学|ジッド

ジッド

アンドレ・ジッド(Gide, André 1869-1951

[フランス語] 20世紀の小説家。

代表作
狭き門
La Porte étroite
1909

贋金つくり
Les Faux-Monnayeurs
1926
母の不倫の子であることを知ったベルナールは、家出したことがきっかけとなって作家エドゥワールの秘書として働く。エドゥワールは、愛人に捨てられたことを夫に告白できずにいる旧友ローラの窮地を救おうとするが、ローラの愛人とはベルナールの親友オリヴィエの兄であった。エドゥワールの甥でもある文学青年オリヴィエは叔父への崇拝と愛情を胸に隠しつつ新しい文学雑誌の創刊に関わろうとしていた。だがその雑誌の出資者であるパッサヴァン伯爵はエドゥワールの文学上のライバルであり、偽造貨幣の流通組織にも関与していた。友人の孫の世話を頼まれたエドゥワールは、その少年ボリスをスイスから連れだし、私塾ヴデル・アザイス塾に入れる。オリヴィエの弟、パッサヴァンの弟など同世代の少年が集まるヴデル・アザイス塾を舞台に、虚像と実像とを使い分けながら、人々は複雑な関係を織りなしていく。
作品(発表年の古い順)
作品名 原題名 区分 発表年 翻訳
アンドレ・ワルテルの手記 Les Cahiers d'André Walter 1891
ナルシス論 Le Traité du Narcisse 1891
アンドレ・ワルテルの詩 Les Poésies d'André Walter 1892
恋のこころみ La Tentative Amoureuse 1893
ユリアンの旅 Le Voyage d'Urien 1893
パリュード Paludes 1895
エル・ハジ El Hadj 1897
地の糧 Les Nourritures terrestres 小説 1897 2023〈今日出海訳〉
フィロクテート Philoctète 1898
旅日記 Feuillets de route 1899
鎖をはなれたプロメテ Prométhée mal enchaîné 1899
カンドール王 Le Roi Candaule 戯曲 1901
背徳者 L'Immoraliste 小説 1902 1963〈渡辺一民訳〉
1951〈石川淳訳〉
1936〈川口篤訳〉
プレテクスト Prétextes 文芸批評 1903
サユル Saül 戯曲 1903
アミンタス Amyntas 1906
ラミエ Le Ramier 小説 1907執筆、2002公刊 2020〈森井良訳〉
放蕩息子の帰宅 Le Retour de l'enfant prodigue 1907
書簡から見たドストエフスキー Dostoievsky d'après sa Correspondance 1908
狭き門 La Porte étroite 小説 1909 2015〈中条省平・中条志穂訳〉
1963〈菅野昭正訳〉
1954〈山内義雄訳〉
コリドン Corydon 1911
イザベル Isabelle 1911
続プレテクスト Nouveaux Prétextes 1911
法王庁の抜け穴 Les Caves du Vatican 小説 1914 2022〈三ツ堀広一郎〉
1952〈生島遼一訳〉
1928〈石川淳〉
重罪裁判所の思い出 Souvenirs de la Cour d'assises 1914
田園交響楽 La Symphonie pastorale 小説 1919 1952〈神西清訳〉
1933〈川口篤訳〉
一粒の麦もし死なずば Si le grain ne meurt 1920-1921 1969〈堀口大學訳〉
汝もまた…… Numquid et tu...? 1922
ドストエフスキー Dostoïevsky 文芸批評 1923
アンシダンス Incidences 1924
贋金つくり Les Faux-Monnayeurs 小説 1926 1962-1963〈川口篤訳〉 上巻 下巻
贋金つくりの日記 Journal des Faux-Monnayeurs 1926
コンゴ紀行 Voyage au Congo 社会批評 1927
チャド湖より帰る Le Retour du Tchad 1928
女の学校 L'Ecole des femmes 小説 1929 1963〈佐藤朔訳〉
ルデュロー事件 L'Affaire Redureau 1930
ロベール Robert 小説 1930 1963〈佐藤朔訳〉
ポワチエ不法監禁事件 La Séquestrée de Poitiers 1930
エディップ Œdipe 1931
新しき糧 Les Nouvelles Nouritures 1935
未完の告白 Geneviève ou La Confidence inachevée 小説 1936 1952〈新庄嘉章訳〉
ソヴィエト旅行記 Retour de l'U.R.S.S. 社会批評 1936 2019〈國分俊宏訳〉
ソヴィエト旅行記修正 Retouches à mon Retour de l'U.R.S.S. 1937 2019〈國分俊宏訳〉
日記 Journal 1889-1939 1939
架空会見記 Interviews Imaginaires 1943
テーゼ Thésée 批評 1946
三幕狂言 法王庁の抜け穴 Les Caves du Vatican. Farce en trois actes 1948
ジャムとの往復書簡集 Correspondance avec Francis Jammes 1948
フランス詩華集 Anthologie de la poésie française 1949
クローデルとの往復書簡集 Correspondance avec Paul Claudel 1949
秋の断想 Feuillets d'Automne 1949 1952〈辰野隆ほか訳〉
今や彼女は汝の中にあり Et Nunc manet in te 1951
かくあれかし Ainsi soit-il ou les jeux sont faits 1952
ジッド、ヴァレリー往復書簡集 Correspondance André Gide - Paul Valéry 1953
翻訳書
書名 編訳者 発行月 収録作品
新潮文庫『地の糧』 今日出海 2023-04 地の糧
光文社古典新訳文庫『法王庁の抜け穴』 三ツ堀広一郎 2022-01 法王庁の抜け穴
新潮文庫『特別な友情』 芳川泰久ほか 訳 2020-01 ラミエ
光文社古典新訳文庫『ソヴィエト旅行記』 國分俊宏 2019-04 ソヴィエト旅行記 ほか1編
光文社古典新訳文庫『狭き門』 中条省平中条志穂 2015-02 狭き門
新潮文庫『一粒の麦もし死なずば』 堀口大學 1969-03 一粒の麦もし死なずば
中央公論社『世界の文学33 ジード モーリアック』 渡辺一民ほか 訳 1963-12 背徳者 ほか3編
岩波文庫『贋金つくり(下)』 川口篤 1963-04 贋金つくり(第三部)
岩波文庫『贋金つくり(上)』 川口篤 1962-12 贋金つくり(第一部・第二部)
新潮文庫『狭き門』 山内義雄 1954-07 狭き門
新潮文庫『法王庁の抜穴』 生島遼一 1952-09 法王庁の抜け穴
新潮文庫『未完の告白』 新庄嘉章 1952-08 未完の告白
新潮文庫『田園交響楽』 神西清 1952-07 田園交響楽
新潮文庫『秋の断想』 辰野隆ほか 訳 1952-02 秋の断想
新潮文庫『背徳者』 石川淳 1951-12 背徳者
岩波文庫『女の学校 ロベール』 川口篤 1946-07 未確認
岩波文庫『モンテーニュ論』 渡辺一夫 1939-04 未確認
岩波文庫『続コンゴ紀行』 杉捷夫 1939-01 未確認
岩波文庫『コンゴ紀行』 河盛好蔵 1938-09 未確認
岩波文庫『狭き門』 川口篤 1937-12 未確認
岩波文庫『ソヴェト旅行記』 小松清 1937-09 未確認
岩波文庫『背徳者』 川口篤 1936-10 背徳者
岩波文庫『鎖を離れたプロメテ』 河上徹太郎 1936-06 未確認
岩波文庫『パリュウド』 小林秀雄 1935-09 未確認
岩波文庫『田園交響楽』 川口篤 1933-04 田園交響楽
岩波文庫『法王庁の抜け穴』 石川淳 1928-10 法王庁の抜け穴
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