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双書の風景

人間獣性のあからさまな姿を描き出そうとしたルーゴン・マッカール双書全20巻の舞台としてゾラが最も多く選んだのは、なによりも、人間の欲望と悪徳とがひしめく大都市パリであった。政治・金融・商業・鉄道・社交界……高度資本主義下のあらゆる人間活動が交錯する都市・パリで、双書ゆかりの地の風景を集めた。

ショワズール街
ショワズール街
Rue de Choiseul
第10巻『ごった煮』で物語の中心となるジョスラン一家は、このショワズール街のアパルトマン(ヴァブル館)に住んでいることになっている。婚期を迎えた娘ベルトにいい夫を見つけてやるためジョスラン夫人は見栄を張って虚飾の限りを尽くすが、乏しい財政の埋め合わせをするために馬車代を節約して、雨の日でも歩いてこの街まで帰ってくる。
(パリ2区/撮影:2003年1月)
講読ノート『ごった煮』

デパート「ボン・マルシェ」
デパート「ボン・マルシェ」
Bon Marché
第11巻『ボヌール・デ・ダーム百貨店』に登場するデパート「ボヌール・デ・ダーム」のモデルとなったのが、1852年に開業したパリ最初のデパート「ボン・マルシェ」である。今なお古い外観を残している。ひとけがないのは、訪れたのが日曜の早朝だったため。
(パリ7区/撮影:2003年1月)
講読ノート『ボヌール・デ・ダーム百貨店』

ユーロップ広場から臨むサン・ラザール駅
ユーロップ広場から臨むサン・ラザール駅
Gare Saint-Lazare
ノルマンディー方面への玄関口であるこの駅から、ルーアンやル・アーヴルへの列車が出発する。第17巻『獣人』は、郊外線が頻繁に発着するサン・ラザール駅をユーロップ広場から眺望する描写で幕をあけた。ルーボー夫妻がグランモランを殺害した列車が出発した駅であり、のちにはジャックの運転する機関車ラ・リゾンがセヴリーヌを乗せて入ってくる駅である。
(パリ8区/撮影:2003年1月)
講読ノート『獣人』

パリ証券取引所
パリ証券取引所
Palais de la Bourse
第18巻『金銭』の主な舞台となるのがパリ証券取引所。株価の高下に一喜一憂する投資家や仲買人が出入りするパリ金融の中心地として、作中では熱気にあふれるその光景が印象に残る。人影がないのは日曜日の早朝だったため。
(パリ2区/撮影:2003年1月)
講読ノート『金銭』

コミューン兵士の墓
コミューン兵士の墓
Mur des Fédérés
第二帝政の終焉を描いた第19巻『壊滅』の第三部は、パリ・コミューンの成立と崩壊を背景とし、コミューンに参加していた親友モーリスをジャンがそうと知らずに刺し殺してしまうという悲劇的な結末におわる。作中のモーリスの死の前日(1871年5月27日)、ペール・ラシェーズ墓地でコミューン兵士の大虐殺が起こり、ここにコミューンの命運は尽きた。ペール・ラシェーズに残るコミューン兵士の墓には今も花束が絶えない。
(パリ20区/撮影:2003年1月)
講読ノート『壊滅』

おまけ

エミール・ゾラ通りの碑・表エミール・ゾラ通りの碑・裏
エミール・ゾラ通りの碑
Avenue Emile Zola
ミラボー橋から真東に伸びるのがエミール・ゾラ通り。ヴィオレ街・テアトル街と交叉する地点がアルフレッド・ドレフュス広場と呼ばれ、エミール・ゾラの顔と文章を刻んだ碑がある。刻まれているのは『真実は前進する』の中の有名な一節。「真実は前進する。なにものもそれを止めることはないだろう。(……)真実の中にしか正義はなく、正義の中にしか幸福はない。」
(パリ15区/撮影:2003年1月)

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