あらすじ
作者が語る「千一夜物語」の、
作中人物であるシャハラザードが語る「船乗りシンドバードの物語」の、
作中人物である船乗りシンドバードが語る。
贅沢な暮らしに飽き足らなくなったシンドバードはまたもや商品を買い込んで船に乗り込む。だが船は嵐に遭って沈没し、シンドバードと仲間はある島に流れ着く。そこには素っ裸の黒い男たちがおり、シンドバードたちを宮廷に連れて行って料理をふるまう。食欲の起こらなかったシンドバード以外の仲間が皆がつがつと料理を平らげると、彼らの体は膨れ上がりぶくぶくになっていった。黒い男たちが食人鬼だと悟ったシンドバードはかろうじて宮殿を逃れ、島の反対側に胡椒を摘みにきていた人々に救われて彼らの島へ行く。この島の王は異国人シンドバードがもたらした知識に感嘆してシンドバードを厚遇し、シンドバードは町で妻を娶って生活を始める。だがこの島には、配偶者の一方が死んだときはもう一方が一緒に生き埋めになるという慣習があった。ほどなく妻が急死したためシンドバードはその遺骸とともに井戸の底に降ろされてしまう。シンドバードは他の犠牲者の持っていた食料と水を奪って生き延び、やがて出口を発見して脱出する。ぶじ救出されたシンドバードは井戸の底で死者たちから剥ぎ取った財宝を売って財産をつくり、バグダードへ帰還した。