SYUGO.COM 4th Edition+ 6番館 | エントランス 6番館 広報 |
耽読古典ライブラリ |
千一夜物語マルドリュス版|千一夜物語(最外枠) |
シャハラザードはシャハリヤールの臥床で語り始める。すべての物語の始まり。
枠深度 | 1 |
---|---|
話し手 | 作者 |
聞き手 | 読者 |
夜々 | 第1夜の前-第1001夜 |
相当範囲 | 第1巻p.11-第10巻p.542 |
作者が語る。
その昔、サーサーンの諸王のうちのひとりにシャハリヤールという王がいた。隣国を治める弟シャハザマーンに久しぶりに会いたいと考えたシャハリヤールは大臣を遣わして弟を宮廷に招く。兄の国へ向けて旅立ったシャハザマーンは、旅の途中で忘れ物に気づいて自分の宮殿に戻ったところ、自分の妃が黒人奴隷と密通しているのを発見し、逆上して妃を殺してしまう。
シャハリヤール王の宮廷を訪れたシャハザマーンは浮かぬ毎日を送っていた。ある日、兄がひとりで狩りに行った後、シャハザマーンは兄の妃と黒人奴隷との密会現場を目撃する。自分の不幸も兄ほどではないと悟ったシャハザマーンは気を取り直すが、この態度の急変を不審に思った兄に問われて、目撃した内容を話す。シャハリヤールは狩りに行くふりをして妃の行動を確認した。
妃に裏切られて落胆した兄弟は宮殿を出て旅立ち、草原のなかの泉に着く。すると突然魔神が現れ、持っていた櫃から一人の乙女を出すと、その膝で眠り込んでしまった。乙女はシャハリヤールとシャハザマーンの兄弟に気づき、魔神の眠っている隙にやることをやった後で、身の上話を二人に語って聞かせる。婚礼の夜に魔神にさらわれてきた乙女は、こうして魔神の寝ている間にこれまで570人もの男たちと交わってきたのだった。
この話を聞いた兄弟は、自分たちの不幸もこの魔神ほどではないと知って元気を取りもどす。宮殿に戻るとシャハリヤールは妃の首をはね、その夜から、毎夜一人の処女をかたわらに侍らせてその処女を奪ったあげく殺した。それから三年、国に乙女はほとんどいなくなり、シャハリヤールの大臣は落胆していた。大臣の二人の娘のうち姉のシャハラザードは父の窮状を見て、シャハリヤールと結婚したいと申し出る。大臣は娘に「ろばと牛と地主との間に起こったこと」を話してこれを諫める。
だが、教養深いシャハラザードは一計を案じ、妹のドニアザードを連れてシャハリヤール王の臥床に侍る。その夜シャハリヤールが彼女の処女を奪うと、臥床のそばにうずくまっていたドニアザードが姉に物語をせがむ。折しも不眠に悩まされていたシャハリヤール王も許可したので、シャハラザードは物語を話し始めた……。
平安(サラーム)を言上する | 知識 | 第1巻p.12 | |
---|---|---|---|
絶望 | 表現 | 王の面上に世界は暗くなった。 | 第1巻p.13 |
そっとしておく | 表現 | 彼の道に残しておく。 | 第1巻p.13 |
男女の交わり | 表現 | 彼らの接吻、襲撃、交合、その他これに類したこと。 | 第1巻p.14 |
日傾時(アスル) | 知識 | 第1巻p.17 | |
泉 | 表現 | 淡水の目。 | 第1巻p.17 |
人間 | 表現 | アーダムの息子ら。 | 第1巻p.19 |
男女の交わり | 表現 | さあ、槍をふるって、激しくきついひと刺しで、わたくしを突き刺しなさい。 | 第1巻p.20 |
印形を集める女 | 挿話 | 婚礼の夜に魔神にさらわれた乙女は、魔神に隠れて男たちと交わり、相手から印形をもらって集めている。 | 第1巻p.20 |
女 | 格言 | およそわたくしたちのうちのひとりの女が、何かを望むときには、もうどんなものもこれに打ち勝つことはできない。 | 第1巻p.21 |
女 | 格言 | まことに、男にして女らの誘惑より、つつがなくのがるるを見るは、世にまたとなき奇蹟たらむ。 | 第1巻p.22 |
シャハリヤール王の錯乱 | 挿話 | 妃に裏切られたことを知ったシャハリヤール王は毎晩一人ずつの処女を奪い、その夜のうちに殺していた。 | 第1巻p.22 |
悲しみ | 格言 | おお汝、悲しむ者よ、気をおとすなかれ。何事も長くはつづくまじ。喜びもなべて消え失せ、悲しみもなべて忘れ去らるるなり。 | 第1巻p.23 |
耽読古典ライブラリ ≫ 千一夜物語マルドリュス版 ≫ 千一夜物語(最外枠) |