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第二歌「バレンシア攻略と息女らの婚礼の歌」

旅路(ヘリカ〜ムルビエードロ)[詩節63]
 エル・シード一行の旅路。
[ヘリカ → オンダ → アルメナーラ → ブリアーナ → ムルビエードロ]
 
バレンシア攻略[詩節64-74]
 エル・シードの侵攻に危惧を抱いたバレンシア市民はムルビエードロを包囲する。エル・シードはこれに応戦し、ミナーヤの進言した側面攻撃が奏功してバレンシア軍に勝利する。エル・シード軍はセボーリャ、クリェーラ、ハティバ、デニア、ベニカデールなどバレンシア近郊の都市を次々と略奪し、数年かけてバレンシアの孤立をはかる。
 バレンシアはモロッコの王に救援を求めるが得られない。いっぽうエル・シードは一旦モンレアールまで戻って兵を募り、バレンシアの攻略にのりだす。九か月の包囲ののちバレンシアは陥落し、エル・シード軍は巨額の戦利品を得る。エル・シードの取り分は全戦利品の五分の一、金銀で3万マルコにのぼった。
エル・シードの第四の戦い
バレンシア防衛[詩節75-79]
 バレンシア陥落の報を伝え聞いたセビーリャの総督は3万の軍勢を率いてバレンシアを攻撃するが、エル・シードはこれを撃退し、ハティバまで追撃する。この戦いの戦利品は歩兵一人あたり銀100マルコが行きわたるほどであった。エル・シードは軍の財宝の散逸をおそれて臣下の無断離脱を禁じ、3600名にのぼる臣下をすべて帳簿に登録する。
 エル・シードはミナーヤに100騎をつけてドン・アルフォンソ王のもとへ使者をたてる。王への軍馬100頭の献上、妻と二人の娘をバレンシアへ呼び寄せること、かつて世話になったドン・ペドロ修道院長に謝礼を渡すことが、使者の用向きであった。またこのころ東方からドン・ヘローニモと名のる剃髪者が訪れ、エル・シードはこれをバレンシア司教区の司教に任ずる。
エル・シードの第五の戦い
サン・ペドロ修道院長あてに1000マルコの謝礼を託す
ドン・ヘローニモ司教登場
使者ミナーヤの行程[詩節80-87]
 カスティーリャへ発った使者ミナーヤはカリオーンにてドン・アルフォンソ王と会見し、エル・シードからの献物を引き渡す。王はこれに応えてエル・シードの家臣の財産没収を解除するが、エル・シードの宿敵である大貴族ガルシーア・オルドーニェス伯は不満を抱く。またカリオーンの二人の公子はエル・シードの成功に眼をつけ、エル・シードの二人の息女との婚礼を画策する。
 新たに65騎を加えたミナーヤの一行はサン・ペドロ修道院に赴いてエル・シードの妻子と再会する。修道院長に500マルコの謝礼を渡し、残る500マルコで婦人たちの身支度を整える。また高利貸ラケールとビダスが現れ、かつての貸金の返済をミナーヤに催促する。
 ミナーヤと王の会見の顛末を伝え聞いたエル・シードは、ムニョ・グスティオースほかに100騎をつけ、妻子を迎える使者として遣わす。この使者は途中モリーナにてモーロ人の城主アベンガルボーンの歓待を受ける。ミナーヤとムニョ・グスティオースはメディナセーリで合流し、ともどもバレンシアへ帰還。エル・シードは愛馬バビエーカに乗ってかれらを迎え、歓迎の武技を演ずる。
サン・ペドロ修道院長、500マルコを受け取る
ラケールとビダス、債務の返済を督促
アベンガルボーン登場
エル・シードの愛馬バビエーカ初出
ユスフ王の侵攻[詩節88-95]
 モロッコの王ユスフはエル・シードを討つために立ち、5万の軍勢をひきいてバレンシアに迫る。エル・シード側は4000弱の軍勢ながら、ミナーヤの側面攻撃作戦によってこれを撃破する。クリェーラへ撤退したユスフ王には104名の生残者あるのみであった。エル・シードはこの戦いであまたの金銀良馬を得、そのなかから馬200頭をドン・アルフォンソに献上する。 エル・シードの第六の戦い
戦利品・モーロ王の天幕
使者ミナーヤの行程[詩節96-102]
 ミナーヤとペドロ・ベルムーデスは200騎を率いてドン・アルフォンソ王の滞在地バリャドリードを訪れる。エル・シードからの献上を受けた王はついにエル・シードの追放解除を命じ、ミナーヤとペドロにも3頭ずつの馬を与えた。しかしこれにより、ドン・ガルシーア伯はエル・シードへの反感をさらに強める。カリオーンの公子ディエーゴとフェルナンドの兄弟はエル・シードの成功に惹かれ、王を通じてエル・シードの息女に求婚する。 エル・シードの追放解除
謁見[詩節102-106]
 王への拝謁を許されたエル・シードは、アルバル・サルバドーレスとガリーン・ガルシーアをバレンシアの守備に残し、拝謁場所であるターホ河のほとりへ向かう。謁見の場にてドン・アルフォンソ王はエル・シードを正式に赦免し、エル・シードは乗用馬と軍馬各30頭を王に献上する。アルバル・ディーアスやガルシーア・オルドーニェス伯の反感は決定的となる。王の仲介により、エル・シードの二人の息女とカリオーンの公子たちとの縁談も成立するが、気位ばかりが高い公子たちとの婚礼にエル・シードは内心あまり乗り気ではなかった。 エル・シード赦免
帰還と婚礼[詩節107-111]
 カリオーンの二人の公子とその長兄アンスール・ゴンサーレスらを加え、エル・シードの一行はバレンシアへ帰還する。バレンシアにて盛大な婚儀と祝宴が開かれ、二人の婿はバレンシアに滞在する。そして平穏のうちに二年の月日が流れた。  

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