ルソー

ジャン＝ジャック・ルソー（Rousseau, Jean-Jacques 1712-1778）

［フランス語］ 18世紀の哲学者・小説家。啓蒙主義。

生涯

フランス系スイス人の時計師の子、ジュネーヴ生まれ。10歳で孤児となるが、その後愛人の保護のもとで膨大な量の読書にふける。ディドロなどフィロゾーフと交際し『百科全書』には「音楽」の項目を執筆。代表作に書簡体恋愛小説『新エロイーズ』、また『社会契約論』『エミール』などで政治思想・教育の分野にも大きな貢献をなした。すぐれた自然描写によりロマン主義の先駆をなすほか、近代的自我を内省により解剖する告白文学への道を開くなど、後世への影響力は空前絶後とされる。

代表作
新エロイーズ Julie ou La Nouvelle Héloîse 1761
告白 Les Confessions 1765-1770

作品（原題のアルファベット順）
作品名 ↑	原題名 ↑		発表年 ↑	翻訳 ↓
告白	[Les]	Confessions	1765-1770
Le Devin de village	[Le]	Devin de village	1752
ルソー、ジャン・ジャックを裁く		Dialogues: Rousseau juge de Jean-Jacques	1772-1776
不平等起源論		Discours sur l'origine de l'inégalité	1755	2008〈中山元訳〉 1933〈本田喜代治・平岡昇訳〉
学問芸術論		Discours sur Les Sciences et Les Arts	1750	1968〈前川貞次郎訳〉
社会契約論		Du Contrat social	1762	2008〈中山元訳〉 1954〈桑原武夫・前川貞次郎訳〉
エミール		Émile ou de l'Éducation	1762	1962-1964〈今野一雄訳〉上巻中巻下巻
新エロイーズ		Julie ou La Nouvelle Héloîse	1761
Lettre à Buttafucco sur la législation de la Corse, Projet de constitution pour la Corse		Lettre à Buttafucco sur la législation de la Corse, Projet de constitution pour la Corse	1764
Lettre à christoph de Beaumont		Lettre à christoph de Beaumont	1763
演劇に関するダランベールへの手紙		Lettre a d'Alembert sur les spectacles	1758
Lettre écrites de la montagne		Lettre écrites de la montagne	1763
Lettre sur la musique française		Lettre sur la musique française	1753
孤独な散歩者の夢想	[Les]	Rêverise du promeneur solitaire	1776-1778	2012〈永田千奈訳〉 1963〈今野一雄訳〉 1951〈青柳瑞穂訳〉

翻訳書
書名	編訳者	発行月	収録作品
岩波文庫『言語起源論――旋律と音楽的模倣について』	増田眞訳	2016-08	未確認
講談社学術文庫『人間不平等起源論　付「戦争法原理」』	坂倉裕治訳	2016-06	未確認
光文社古典新訳文庫『孤独な散歩者の夢想』	永田千奈訳	2012-09	孤独な散歩者の夢想
光文社古典新訳文庫『社会契約論／ジュネーヴ草稿』	中山元訳	2008-09	社会契約論
光文社古典新訳文庫『人間不平等起源論』	中山元訳	2008-08	不平等起源論
岩波文庫『学問芸術論』	前川貞次郎訳	1968-12	学問芸術論
岩波文庫『エミール（下）』	今野一雄訳	1964-07	エミール（第五編）
岩波文庫『エミール（中）』	今野一雄訳	1963-07	エミール（第四編）
岩波文庫『孤独な散歩者の夢想』	今野一雄訳	1963-02	孤独な散歩者の夢想
岩波文庫『エミール（上）』	今野一雄訳	1962-05	エミール（第一編・第二編・第三編）
岩波文庫『社会契約論』	桑原武夫・前川貞次郎訳	1954-12	社会契約論
岩波文庫『政治経済論』	河野健二訳	1951-09
新潮文庫『孤独な散歩者の夢想』	青柳瑞穂訳	1951-04	孤独な散歩者の夢想
岩波文庫『人間不平等起原論』	本田喜代治・平岡昇訳	1933-10	不平等起源論