フランス文学ゾラ|大地

大地

ルーゴン・マッカール叢書第15巻(Les Rougon-Macquart 15)
ゾラ [長編小説] La Terre, 1887

あらすじ

小麦を産する肥沃な畑を擁するボース地方に流れ着いた退役兵ジャンは、革新的な農法により農業の近代化に努める地主ウールドカンのもとで働く。しかし、因襲の残るこの地方には閉鎖的な土地所有欲が根強く残っていた。フーアン家の土地相続をめぐる対立が骨肉相食む争いを生み、ジャンの妻フランソワーズもその犠牲となる。

梗概

ルーゴン・マッカール双書第15巻。19世紀農業小説の傑作としてバルザックの『農民』に比せられる。農民の猥雑な日常を忠実に写し取った本作に対しては卑猥で下品との非難が集中し、自然主義者のなかからも批判が起こるなどして、自然主義運動退潮のきっかけをつくった。

翻訳(訳年の新しい順)
編訳者 訳年 注記 文献
小田光雄訳 小田光雄 2005 論創社『大地』
田辺貞之助・河内清訳 田辺貞之助
河内清
1953 岩波文庫(全3巻) 上巻 中巻 下巻
世界文学データベースフランス文学ゾラ ≫ 大地