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ブロック番号システム導入趣旨解説

 ある文章をどこかで引用するときには、その出典を明記することが必要になります。そのことは、引用文が出版物に掲載されている場合でも、デジタルテキストとしてWWWに掲載されている場合でも基本的に変わりはありません。しかし紙の本と比べた場合に、デジタルテキストがもつ問題点のひとつは、文中の特定の箇所を指示するための標準的な方法が確立されていない、ということです。たとえば、ある文章のなかの一行か二行程度を引用したい場合、それが本であれば書名とそのページ数、雑誌であれば雑誌名と巻号とページ数などを掲げればだいたい用が足ります。ところが、ウェブ上の文章にはページ数というものが存在しないため、このような指示ができないことになります。

 もちろん、そのページのURLを示すことはできます。しかし本のページと違って、HTML文書は一ファイルの中に書き込むことができる文章量に上限がないため、文章量の多いページの場合は、より詳細な特定をしなければ役に立たないことも少なくありません。たとえば当サイトの例だと、現在のところ最も長い書評である『ナナ』は一つのページで26000字(400字×65枚相当)の文章を含んでいるので、この書評のどこかを引用したいとき、ページのURLを示すだけではぜんぜん用が足りないでしょう。

 この不便を解決する方法のひとつとして、技術的には、同一の文章でも、適当なサイズでページを小分けにしてしまうことが考えられます。つまり文章を1000字程度で分割して、『ナナ』書評(1).html、『ナナ』書評(2).html、『ナナ』書評(3).html……といった具合に別々のファイルにしてしまうわけです。しかし、少し考えてみればこれは無意味なアイデアと言わざるを得ません。そもそも紙のページという物理的な制約にとらわれずに文章を増減できるのがデジタルテキストの大きな利点であり、そうであれば同一のコンテンツは分割せず、分量にかかわらず一主題を一ページにまとめるのが合理的と考えられるからです。同一のコンテンツを、大きすぎるからといって細切れにしてしまうと、あとで加筆・修正をしたときに各ファイルの内容量のバランスが崩れるし、ユーザにしてみれば、続いている文章をわざわざリンクで移動して読むのは煩雑でもあります。出版物に特有のページの概念を、無理にデジタルテキストにあてはめる必要はないと思われます。

 従って、どれほど長い文章でも同一コンテンツである限り一ファイルにまとめることを前提として、それでは、その長い文章中の特定箇所をどうやって指示できるようにするのか。これがサイト側の課題となります。

 SYUGO.COMでは、ひとつのアイデアとして、書評を数パラグラフごとに適当な大きさのブロックにまとめ、各ブロックに番号をふることでこの必要に対応することにしました。ここでパラグラフとは、書評の中で、字下げで始まる一連の文章のかたまりを指し、ブロックとは、いくつかのパラグラフから成る集合単位のことです。こうして全文をブロックに分類したうえで、文章の冒頭から順にブロック番号を与えることにします。これは各ブロックの冒頭にスミ付きパーレンで囲んで示されます(【1】【2】【3】……)。ブロック番号はその書評の内部で一意(ユニーク)なものとし、一旦あたえたブロック番号はその後の補訂に関わらず変更しないものとします。増補が多量にわたりブロック増設の必要があるときは【3の2】などとします。

 実例を見てもらえば実に簡単なことですが、たとえば、ブロック番号を次のようにして利用することができます。

使用例:
アサクラは「『ナナ』の特質がどこにあるかを簡潔に説明するのは難しい」と述べているが(書評『ナナ』第6ブロック参照)、それはヤツの頭がわるいからだ。

 特定箇所を単に指示するだけではなく、その箇所へ直接移動することもできるように、各ブロックにアンカーネームを付与しています。たとえば「...review/0047.html#block06」にリンクすることで、書評『ナナ』のブロック【6】へ移動することができるわけです。

2002/02/07
2002/06/18補訂

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