ルーゴン・マッカール叢書第17巻(Les Rougon-Macquart 17)
ゾラ [長編小説] La Bête humaine, 1890
機関車ラ・リゾンを運転するジャック・ランチエには、女の裸を見るとその女を殺したくなるという、原因不明の病気があった。機関車だけを愛するようにして暮らしていたジャックは、ある日、美しい女がおかす殺人の現場を目撃し、彼女に惹きつけられていく。
ルーゴン・マッカール双書第17巻。鉄道界と司法界を背景に、呪われた遺伝的発作に苦しむ主人公と、けだもののように疾走する機関車の姿とを重ね合わせ、人間獣性の諸相をえぐり出す。双書中では小品ながら傑作の部類に入り、機関車の機械美、緊迫した筋の展開、絡み合う作中要素と人々の相互関係など、小説としての完成度も高い。
版 | 編訳者 | 訳年 ↓ | 注記 | 文献 |
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寺田光徳訳 | 寺田光徳 訳 | 2004 | - | 藤原書店『獣人 愛と殺人の鉄道物語』 |
川口篤訳 | 川口篤 訳 | 1953 | - | 岩波文庫(全2巻) 上巻 下巻 |
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