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SYUGO.COM制作放談(第2回)

アサクラ: お久しぶりです、ハカセ。
ハカセ: うむ、最近、わしの出番がぜんぜんなかったからのう。
アサクラ: それはしょうがないですよ。ハカセの出番はいちおうこのサイトのイベント日だけってことになってるんですから。そんなにしょっちゅう出てこられても困ります。
ハカセ: このサイトにイベント日なんてものがあったのか?
アサクラ: ありますよ。毎年二回、サイト創立記念日(4月5日)と、ゾラの命日(9月29日)です。日常更新のペースにはむらがありますが、この二度の機会だけはかならず本格的な更新をすることにしてるんです。4月には何か大きな特集、9月にはゾラ関連コンテンツの一斉更新ですね。まあ今回は18日にコンテンツだけ先行公開してしまいましたが。
ハカセ: まあ、おぬしはそうやってケジメをつけてやらないと限りなくさぼるからな。
アサクラ: うぐ……。でもたしかに、結構いい刺激にはなってますね。あまりギチギチに更新スケジュールを組んでも守れないけど、ときには自ら締め切り日を課してコンテンツを作るのもいいもんです。
ハカセ: というか、「ゾラのサイト」と称しているのにゾラ没後100年の機会に何の更新もしないんだったら、もはやサイトをつぶした方がいいというもんぢゃろう。
アサクラ: またそういうことを言う。ゾラ没後100年というこの二度とない機会にシュウゴ・コムとして何をするべきか、僕は直前までかなり迷ったんですよ。結果的にトップページをゾラだらけ(注1)にすることができましたが、9月に入るまではほとんど何も準備していなかったんですから。
  (注1)ゾラだらけ…私訳『プラッサンの征服』(特集)、『愛の一ページ』(講読ノート・書評)、「登場人物えこひいきランキング」(講読ノート)の一括更新。
ハカセ: てことは、おぬしをきちんと働かせるためには、イベント日をもっと増やした方がいいということかもしれんのう。たとえばゾラの誕生日は4月2日なんぢゃから、これもイベント日にしたらどうぢゃ。
アサクラ: ばかなことを言わないでください。その三日後が創立記念日じゃないですか。イベント日は年二回が限度です。それ以上あってもコンテンツ制作が追いつきませんよ。それに、4月5日と9月29日というのはなかなかうまい選択なんですよ。ほぼ半年の間隔があって、時期に偏りがないでしょう。
ハカセ: なるほど。それはともかく、ゾラの翻訳などという大それたことを始めたものぢゃのう。しかも前口上を読むと、しょっぱなから相当に弱気ではないか。果たして完結まで続けられるのか。
アサクラ: 僕もそれがいちばん不安なんです。でも『プラッサンの征服』なんて近いうちに翻訳が出る見込みはないし、僕ももう未読の作品が少なくなってきちゃったんだから、なんとかしないといけないと思いましてね……。双書の既訳で読んでないのは、あと『壊滅』だけなんですよ。
ハカセ: そういえばとうとう『愛の一ページ』も読んだようぢゃが、「幻の一冊」たる翻訳書『禁断の愛』を手に入れたのかな?
アサクラ: いいえ。所蔵している東京都立図書館(注2)通いつめて読んだんです。あそこは貸出しできませんからね。まるまる四日、のべ14時間くらいかかりましたよ。綿密なノートを取りながらですから。
  (注2)東京都立図書館…東京都立中央図書館(東京都港区南麻布5-7-13)。
ハカセ: 『愛の一ページ』なら今度の「ゾラ・セレクション」(注3)に含まれているんぢゃから、それを待てばよかろうに。
  (注3)ゾラ・セレクション…2002年末より藤原書店から刊行されるゾラ選集。
アサクラ: ええ。でも待ちきれなかったんです。
ハカセ: なんと、せっかちな奴ぢゃのう。
アサクラ: たしかに、交通費だけで片道680円もかかるのに、なぜそうまでしてオレはゾラを読みたいんだろう、としばし自問しましたよ。つい二年前までは、僕もまさかこんなにどっぷりとゾラにつき合う羽目になるとは思ってませんでしたからねえ。
でも、その甲斐あって、そろそろコンテンツの幅を広げられる時期が来そうなんですよ。これまでは単発の作品紹介がメインでしたが、これからは作品横断的なものも作っていこうと思うんです。その第一弾が、今回の登場人物ランキングなんですが。
ハカセ: 「登場人物えこひいきランキング」ぢゃな。しかし、なぜこれは女性編だけしか作ってないのぢゃ。
アサクラ: 間に合わなかったんですよ。この種の作品横断的コンテンツは突貫工事では作れなくて、普段からのデータ蓄積がものを言うんですが、僕はふだん「魅力的な女性キャラ」のデータばかり夢中になって集めていたので、いざコンテンツをつくろうという時に、男性編の準備がぜんぜんできてなかったんです。
ハカセ: ばかぢゃのう。
アサクラ: ばかですねえ、われながら。これから少しずつ集めるしかありません。
ハカセ: ということは、イベント日とは言いつつ、実はところどころ手を抜いていたりするということぢゃな。
アサクラ: そういうことを言わないでくださいよ。それとも、こんな対談のために時間を割くのをやめてコンテンツ制作にいそしめば、もっといろいろ作れると思いますが、そうしましょうか?
ハカセ: いやぢゃ!
アサクラ: そう言うと思いましたよ。
じゃまた半年後にお会いしましょう。
ハカセ: おい、今回はやけにそっけないのう。
アサクラ: いやまあ、僕も今いろいろたてこんでましてね。また少し充電したいんですよ。サイトを続けていくためにも、サイトとは関係のない活動、とくにフランス文学と無関係な読書で息抜きすることが非常に有益なんですが、最近それが全然やれてない。なんかフランス語の小説を読み始めたら、どんなに難しくてもいいから日本語が読みたくてたまらなくなってしまいました。
ハカセ: そんなら、いっそのこと日本文学のサイトも作ったらどうぢゃ。「ハカセとその弟子による崇高なる日本文学のサイト」(注4)
アサクラ: いやです。これ以上コンテンツ制作の負担は増やせないって言ったでしょう。
  (注4)「ハカセとその弟子による崇高なるサイト」…シュウゴ・コムの本質(?)。ハカセは、これをサイトのキャプションにしようと機を窺っている。サイト3周年記念対談参照。
ハカセ: おぬしもシャレが通じぬ奴ぢゃのう。
それでは、最後に今後の更新の予定だけ告知しておきなさい。
アサクラ: ええ? でもそのとおり更新できないことも多いから、あまり予告はしたくないんですが……。
ハカセ: 安心せい。誰もあてにしてないから、とりあえず言っておくだけでいいのぢゃ。
アサクラ: そこまで言われるとちょっとムカつきますね。まあいいけど。
今後の予定は、まずルーゴン・マッカール双書19巻『壊滅』の講読ノートでしょうか。なるべく早く終わらせて、そのあとは余裕を持ってゾラ・セレクションの刊行につき合っていきたいです。ただ『壊滅』を読む前に普仏戦争とパリ・コミューンについて歴史をおさらいしておきたいので、まず歴史の本を読んで、それから『壊滅』という順序ですね。ゾラの新訳が出たら、いくつかの作品は新訳で再読しますから、向こう一年ほどはゾラ関連の更新が絶えることはないはずです。
あとプロジェクト・ポーリーヌ(注5)は近いうちに終わります。それ以外は現時点ではまったく未定ですね。ちょこちょこと何かはやるでしょうが、何をやるかはわかりません。僕はけっこう思いつきでコンテンツを作りますから、事前にわかってないことが多いんですよ。
  (注5)プロジェクト・ポーリーヌ…SYUGO.COMサイト内統合探索システムの開発計画。2002年7月より着手。
ハカセ: 要約すると「なにもかも未定」ということぢゃな。
アサクラ: そんな乱暴な要約がありますか。
まあでも、半年後や一年後にも、こうやって「こんどは何を作ろうか」と思いをめぐらせていられたらいいですね。なんだかんだ言っても、シュウゴ・コムを作ることでいちばん精神的に救われているのは僕自身ですからね。

2002/09/29

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