アメリカ独立戦争に影響を与えた政治的宣言書。
"Common Sense", 1776
『コモン・センス 他三篇』(小松春雄訳、岩波文庫、1976年)
|
【1】 言わずと知れた、アメリカ独立に大きな影響を与えた論文である。 【2】 しかし、政治宣言書としての形式にもかかわらず、そこには、いくつか注目すべき洞察がなされているのが見られる。第一に、奴隷制の悪をはっきりと明言し、イギリスの統治が植民地に対する暴政であると同時にインディアン・黒人に対する暴虐でもあることを指摘している点である。独立ののち、実際の奴隷解放までアメリカはなお1世紀近くを待たねばならなかったことを思うと、その先見性は驚嘆に値する。 ここには、現実の政治情勢に対する、幻想を含まない冷静な判断が働いている。独立を訴える情熱的主張と、独立可能性へのこのような具体的・実際的判断とが、かれのなかで見事に同居し得ていたのである。 |
|