基礎情報 |
原題 | Das Nibelungenlied |
区分 | 叙事詩 |
作者 | 不詳 |
刊年 | 1200年ごろ |
準拠文献 |
『ニーベルンゲンの歌(前編・後編)』 (相良守峯訳、岩波文庫、1955年) |
関連リンク |
無限∞空間 2号館 『ニーベルンゲンの歌』を含む西欧神話と叙事詩の紹介と解説。情報は充実しており水準も高い。 |
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概説 |
12-13世紀、ヨーロッパ封建社会の最盛期のドイツでは、確固とした意志や婦人への奉仕を核心とする騎士道精神が開花した。真摯で理想的なゲルマン精神を背景として英雄叙事詩と呼ばれる文学ジャンルが成立し、その最高傑作たる『ニーベルンゲンの歌』(Das Nibelungenlied)が現れる。 『ニーベルンゲンの歌』は、5世紀のフン族の王アッチラのヨーロッパ侵入とブルグント(ブルゴント)王国の滅亡、そしてジークフリート(ジーフリト)伝説とに材をとり、ジークフリートの妻クリームヒルト(クリエムヒルト)の強烈な復讐の意志が貫徹されてゆく悲劇を、全39歌章の緊密な構成をもって力強く描き出す。 「ドイツのイリアス」とも称されるこの傑作叙事詩はゲーテなどロマン派の作家たちに激賞され、ヘッベルの戯曲、ワーグナーの歌劇などを通じて今なお広く知られている。 なお、叙事詩の題名を『ニーベルンゲンの災い』(Der Nibelunge Nôt)とみなす考え方もある。 |
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