La Bête humaine, 1890 |
ルーゴン・マッカール双書第17巻。鉄道界と司法界を背景に、呪われた遺伝的発作に苦しむ主人公と、けだもののように疾走する機関車の姿とを重ね合わせ、人間獣性の諸相をえぐり出す。双書中では小品ながら傑作の部類に入り、機関車の機械美、緊迫した筋の展開、絡み合う作中要素と人々の相互関係など、小説としての完成度も高い。 |
[あらすじ] 機関車ラ・リゾンを運転するジャック・ランチエには、女の裸を見るとその女を殺したくなるという、原因不明の病気があった。機関車だけを愛するようにして暮らしていたジャックは、ある日、美しい女がおかす殺人の現場を目撃し、彼女に惹きつけられていく。 |
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