Rablais, François (1494?-1553) 16世紀のユマニスト。弁護士の子としてシノンの近くで生まれ、修道院生活のかたわらビュデなどのユマニストと交際する。修道院を出たのち医師となり、リヨン市立病院、ジャン・デュ・ベレー枢機卿の侍医を務め、その合間に『パンタグリュエル』『ガルガンチュア』などの道化物語を著した。古代の哲学・歴史の知識をもとに、巨人王ガルガンチュアの生涯に仮託して人間本性の自由な発達、同時代の医者・神学者の風刺を展開したため、パンタグリュエル『第三の書』はパリ大学により焚書とされた。
Montaigne, Michel de (1533-1592) 16世紀のユマニスト。ペリゴール州の商人あがりの貴族の子として生まれ、開明的な父の方針で幼少よりラテン語を学び、法律を修める。法律家となってボルドーの最高法院に勤めるが、やがてストア哲学の影響を受け、父の死後、37歳で職を辞して隠遁生活に入った。古代作家からの名句抜粋に個人的内省を付して刊行した『エセー』はフランス・ユマニスムの代表作であり、ストア主義や懐疑論への傾倒を経て自然との調和や人間本性の受容に至る思想の遍歴を示す。